第6回いちごソムリエミーティング(交流会)を開催しました!

2026年6月19日(金)13:30-14:30

☆いちごソムリエ限定イベント

いちごソムリエミーティング(交流会)Vo.6

「夏秋いちごを深掘!信州大学開発「信大BS8-9」を学ぶ!」オンライン交流会開催!

※いちごソムリエを取得された方が参加できるイベントです。

いちごソムリエの交流会の第6弾!

いちごソムリエとしてのスキルアップと、いちごソムリエ同士の交流、情報交換を目的とした会です。
30名のいちごソムリエにお申し込み頂きました。(いちご生産者や、販売などいちごに関する仕事に携わる参加者が約半数)

信大BS8-9協議会の事務局長で、ご自身も生産者である 長野県伊那市の「苗香屋」(のうかや)取締役 青木一徳様をゲストにお招きしました。

苗香屋さんは、「恋姫」(信大BS8-9)で、「第1回全国クリスマスいちご選手権」で入賞、「第1回全国夏いちご選手権」で銀賞を受賞されています。青木様が信大BS8-9の生産者となった経緯、信大BS8-9はどんないちごか、夏秋いちごの栽培や流通の現状などをお話いただきました。

《イベントスケジュール》

1.挨拶 苗香屋・青木さんのご紹介

2.夏秋いちごの基礎知識、「信大BS8-9」の特徴についてなど

3.質疑応答

4.まとめ


【内容】

いちごソムリエアドバイザー勝田紀久子のナビゲートで、インタビュー形式で進めました。

1、青木さん自己紹介
  株式会社苗香屋取締役、信大BS8-9協議会事務局長
・株式会社苗香屋について
伊那バス子会社。ハウス15棟。信大BS8-9、サマーリリカル、冬イチゴ
・バス会社がなぜ夏秋いちご栽培を始めたのか
 耕作放棄地の拡大や後継者不足などの問題を踏まえ、観光資源や地域の活性化を考えたとき、信州大学農学部でか つてない高品質の夏秋いちごが誕生。「信大BS8-9」発祥の地として、牽引していきたい!という思いで農業参入。
・信大BS8-9協議会について
 23県、80の生産者がいる。(信大BS8-9を栽培するには会員になる必要がある。)

2、夏秋いちごの基礎知識
・主流である冬春いちごの2%程度の流通量。→ 希少であり、新しい可能性がある。
・夏秋いちごとはいえ、夏の平地栽培は難しい。標高600m以上が適地と言われていたが、気温の上昇により、今は標高800mとも言われている。真夏のハウス内温度は40度を超える。高温障害、花芽形成不良、病害虫発生、果実品質低下など困難な状況に直面している。
主な産地は、北海道、長野、岩手、宮城、秋田などの東北と、西日本でも標高の高いところ。信大BS8-9については、日本海側エリアではあまり作られていない。
・ケーキなど1年中需要があるが、需要に供給が全く追い付いていない。

◎夏でも「美味しい国産いちご」が欲しい
・これまでの四季なりいちごは、食味もそこそこで、断面も白く、外観も良くないものが多かったが、信州大学が、長野県の冷涼な気候を生かし、「夏でも美味しいいちご」を目指して開発。「信大BS8-9」という高品質な夏秋いちごが誕生した。

◎「信大BS8-9」の特徴について
・夏季の高温下でも高い糖度
・香りが良い
・整った三角錐の美しい外観と色。カットした時の断面も美しい。
・比較的硬めで、保管や輸送にも都合が良い。
・苗を増やしているが、近年の気温上昇もあり、2021年をピークにやや減っている状況。
・命名権付きで、生産者が自由にオリジナルネームをつけることができる。

→ 生産者が、自分のブランドを作れるということで、モチベーションに繋がるというメリットがあると言われていたが、いろんな名前で販売されることになった結果「信大BS8-9」の認知度が拡大しないという問題に。
今後はオリジナルネームの後に(信大BS8-9)と明記することをお願いしていく。

◎「1年中ある特別な日のケーキには、1年中おいしい国産いちごがのっていて欲しい」
「誕生日は年に1度ですが、誰かの誕生日は毎日あります」バースデーケーキのイメージはやっぱりいちご。
いちごは嗜好品とも考えられるかもしれませんが、立派な「食文化」といえます。

3、質疑応答
Q.真夏に収穫量が減るのはなぜですか。枯れてしまうのですか?
A.成り疲れをしてしまうので、摘花もします。結果収量も減ります。枯れることはよっぽどありません。

Q.夏秋いちごは熱に強いのではないですか?
A.夏秋いちごだから熱に強いというわけではなく、夏の環境下でも実をつけることができるという考えです。

Q.株元を冷やせば収量は上がりますか?どんな方法がありますか。
A.ミストや遮光カーテンなど。それでも1〜2℃ですが、その違いが大きい。企業の協力でエアコンを使っているところもある。四季なりだから高温長日というわけではない。

Q.夏秋いちごの生産者の平均年齢は?
A.信大BS8-9協議会には30代〜50代が多い。

Q.夏秋いちごは硬くて酸味のあるもののほうがパティシエさんには望まれるのですか?
A.そのような要望も多いが、甘味の強いものを要求されることもあり、用途によると思う。

Q.栽培が難しい現状ですが、今後機械化など、スマート農業を導入していく考えはありますか。
A.窓の開閉や温度管理など、自動化は入れています。

Q.信大BS8-9の耐病性はどうですか?
A.病気には強いです。炭疽病が出たという報告は1件もない。菌に強いです。ダニについては品種特性というよりも環境の問題だと思う。

Q.信大BS8-9の収量はどうですか?信大BS8-9の魅力は品質?
A.収量は多くないです。夏秋いちごで最も生産量が多い「すずあかね」と比較して半分くらいです。他の夏いちごのよりも味がよく、見た目も良い。高品質のイチゴです。

Q.誕生日ケーキはやっぱりいちごですか?
A.子どもには望まれる。いろんなフルーツがある夏でも、やっぱりいちごがのっていてほしい。

Q.(これから参画していくとしたら)需要と供給は実際のところどうですか。
A.需要に供給は追い付いていないが、食味にこだわらなければ輸入品を使うという選択肢はあるので、なんとかなっているという背景はある。加温するより温度を下げるほうが難しい。費用対効果を考えると新規参入も限られるか。

Q.今後も情報が欲しいです。
A.インスタグラムやホームページがあります。

【ゲストのいちご生産者紹介】
農園名:株式会社苗香屋
生産地:長野県伊那市
HP:https://ibgr.jp/agri/
Instagram:https://www.instagram.com/inabus_agri.koihime/

信大BS8-9協議会
HP:https://bs8-9.jp/

◎苗香屋さんのいちご取扱店(敬称略)
タカノフルーツパーラー、GLO-beryJapan,アカシエ、CINARIS、大丸東京、パウンドハウス富山、ブールブール、米白餅本舗、メゾンドフルージュ、五感北浜本館、BORNSAI、グリーンサム、金蝶園総本家、二葉堂、星野リゾート、北川製菓、Kuus、ドルチェカリーナ、帝国ホテル

参加者の声
・今日は貴重なお話をありがとうございました。
・流通量が「わずか1.5%」という現実を知り、(私たちソムリエでも)一般の方が生食する機会の少なさに納得。
・近年の気温上昇などによる栽培管理の難しさや設備投資などの高いコストが壁となり、生産者が減少傾向にあるという現実も知ることができた。
・今後ソムリエとして、さらに積極的に夏秋いちごを味わって魅力を伝えると共に、生活者が実際に「購入できる場所」や「食べられるお店」を具体的にご紹介できればと思います。
・11月の恋姫をぜひとも味わってみたい!
・交流会、とても素晴らしいと思っています。大変勉強になっています。

4.まとめ
冬春のいちご人気に伴い、夏も国産いちごが食べたいというニーズが高まっています。そうでなくとも、ショートケーキにはいちごがのっていることが当たり前のようになっている日本の食文化。1年中需要がある農産物です。そして、いちごは地域振興とも密接な関係があり、夏秋いちごの希少性はブランドになる可能性があります。しかしその一方で栽培の難しさもあり、簡単なことではありません。いちごソムリエとして、「夏いちごが欲しい」という相談を受けることもあるかと思いますが、生産者の思い、栽培の現状なども学んだ上で、対応できるようにしたいです。

オンラインではありますが、全国のいちごソムリエの皆さんとともに、貴重な学びの時間を過ごすことができました。引き受けてくださった青木様、参加の皆様、ありがとうございました。

企画&ナビゲーター、レポート作成  いちごソムリエアドバイザー勝田紀久子